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執筆日:2024.06.13

変更日:2025.06.05

執筆者:itanami

目を引く!和風パンフレットの配色アイデア集

1. はじめに 〜「日本らしい色合い」とは?~

1-1. 心惹かれる日本の色~特徴と魅力の深掘り~

日本の伝統色には、自然や季節、文化といった日本人の生活や感性が色濃く反映されています。桜の花のような「桜色」や、秋の紅葉を思わせる「紅」、深い海を表現した「藍」など、ひとつひとつの色には物語があり、それが見る人の心に響くのです。これらの色は主張しすぎず、繊細で奥ゆかしい印象を与えるため、視覚的にやさしく、記憶にも残りやすいのが特徴です。また、日本の色は単色だけでなく、組み合わせたときに美しさが際立ちます。その調和の美しさは、パンフレットなどの印刷物に落ち着きや洗練された印象を加えるのに最適です。

1-2. 日本人の美意識が息づく配色のルーツを探る

日本人の配色感覚は、四季の移ろいや自然との共生に根ざしています。平安時代にはすでに「襲(かさね)の色目」と呼ばれる配色の文化が存在し、着物の重ね色に季節感や身分を表現していました。現代でもその感性は残っており、「控えめで調和を重んじる」色づかいが多く見られます。特に和の配色では、彩度を抑えた柔らかい色同士の組み合わせが好まれ、見る人に安心感や品格を与えます。こうした美意識を理解して配色に取り入れることで、パンフレットに深みと説得力が生まれ、日本らしさを感じさせるデザインが完成します。

1-3. 時を超えて愛される伝統色~パンフレットに選ばれる理由~

現代のデザインにおいても、日本の伝統色は高く評価され続けています。その理由は、時代を超えて人々の感性に訴えかける普遍性にあります。例えば、「利休茶」は茶の湯文化に由来し、落ち着いた和の世界を演出するのに適しています。一方、「紅」は華やかさや情熱を象徴し、視線を引きつける効果があります。このように、日本の伝統色は目的やテーマに応じて的確に使い分けることができ、ブランドイメージの向上や視覚的訴求力の強化に役立ちます。パンフレットに取り入れることで、単なる配色を超えた“語るデザイン”を実現できるのです。

2. パンフレットに活かす和色の配色アイデア

2-1. 落ち着きと品格を添える和の配色レシピ

例として【藍色×生成り×利休白茶】を挙げましょう。

「藍色」は日本の伝統色の中でも特に親しまれてきた色で、深みのある青が安心感や信頼感を与えるのが特徴です。「生成り」は漂白していない自然な色味で、柔らかく優しい印象を演出します。「利休白茶」は茶道文化に由来する上品なグレイッシュベージュで、控えめながらも洗練された雰囲気を持っています。

 

この3色を組み合わせることで、穏やかで品のあるデザインが完成します。特に落ち着いたトーンのパンフレットを求められる行政、文化施設、伝統工芸の紹介などに最適です。また、写真や文字情報を邪魔せず、自然に視線を誘導する効果も期待できます。

2-2. パンフレットを彩る~息をのむほど美しい日本の四季色パレット~

日本の四季は、それぞれに異なる彩りを持ちます。春は「桜色」や「若草色」、夏は「空色」や「藍色」、秋は「紅葉の紅」や「山吹色」、冬は「雪のような白」や「墨色」。このような四季折々の色を組み合わせてパレット化することで、季節感をダイレクトに伝えるパンフレットが制作できます。例えば、春の観光ガイドなら「桜色×薄緑×空色」、秋の地域イベント紹介には「紅×山吹色×焦げ茶」などが有効です。色だけでその季節や地域の情緒が伝わるため、視覚的にも強い訴求力があります。特に観光や地域PR、文化イベントのパンフレットにおすすめです。

2-3. 洗練された高級感を演出 格式を高める和の色選び

こちらも例として【深緋×金色×黒鳶】を挙げましょう。

「深緋(こきひ)」は古来より高貴さや格式を象徴する色として用いられてきました。「金色」をアクセントに加えることで、伝統的な重厚さに華やかさと品格が加わります。さらに「黒鳶(くろとび)」の落ち着いたトーンを締め色に使うことで、配色全体に深みと統一感が生まれます。

 

この組み合わせは、高級旅館や老舗ブランドのパンフレットなど、信頼感と伝統を印象づけたい場面に効果的です。深緋をメインに、金色はロゴや見出しに、黒鳶は文字や罫線に用いることで、上質で整ったビジュアルに仕上がります。さらにこの配色は、海外の顧客に向けた日本ブランドのプロモーションツールとしても強い訴求力を発揮します。伝統を守りつつも、エレガンスと現代的な洗練を併せ持つ印象を与えるため、グローバルな視点でも活用可能です。配色の重さを和らげるために、余白をしっかりと取り、視線誘導を意識したレイアウトを心がけると、より洗練された高級感を演出できます。

3. 和の色と現代デザインの調和

3-1. 古典とモダンを融合~和色を今風に見せる配色マジック~

和の伝統色は、そのまま使うと古風に見えることがありますが、現代のデザインに合わせてアレンジすることで、よりスタイリッシュに生まれ変わります。例えば、伝統色のひとつである「浅葱色」は、クリーンで透明感のある色として再評価されており、ミニマルなレイアウトやモダンな書体と組み合わせることで、新鮮な印象を与えることができます。また、「山吹色」などの暖色系も、グレーやホワイトと組み合わせることで、レトロすぎず上品にまとめることが可能です。このように、和の色を時代の感性に合わせてアップデートすることで、伝統と現代が調和した魅力的なパンフレットが生まれます。

3-2. 魅力を最大限に引き出す!フォント×レイアウト×和の色

和の色を使った配色において、フォントやレイアウトとの相性も重要な要素です。伝統色のもつ落ち着きや優雅さを引き立てるためには、明朝体などの柔らかい曲線を持つフォントが効果的です。これにより、デザイン全体が調和し、日本的な美しさが一層引き立ちます。また、余白を意識したレイアウトは、和の配色が持つ“間”の美しさを際立たせる鍵です。特に情報が多いパンフレットでも、行間や段組みの工夫により視認性と美しさを両立できます。さらに、フォントカラーには和色から派生した淡いグレーや茶系を用いることで、色彩のまとまりが生まれ、全体のトーンを整えることができます。

3-3. 知っておきたい!和風配色で失敗しないための重要ポイント

和風配色を成功させるには、色数を絞り、全体の調和を意識することが欠かせません。伝統色は強い主張を持たない分、組み合わせを誤ると印象がぼやけてしまう可能性があります。基本は3色程度にとどめ、それぞれの役割(メイン・アクセント・背景)を明確にすると、視覚的なまとまりが生まれます。

 

また、和の色名は響きが美しい反面、具体的な色味が想像しづらいこともあるため、実際のカラーチップや印刷見本で確認することが重要です。さらに、デジタルと印刷で色の再現性が異なる点にも注意が必要です。目的や媒体に応じて調整し、常に「誰に」「何を伝えるか」を意識した配色設計を心がけましょう。

その他、魅力的なパンフレットを作るための色の選び方について詳しくははこちらご覧いただけます。

4. 目的別おすすめ和風配色リスト

ここでは、パンフレットの目的に応じたおすすめの和風配色をご紹介します。伝えたい印象や雰囲気に合わせて、色の意味や視覚的効果を活かした配色を選ぶことで、より効果的なビジュアル表現が可能になります。

◎旅の記憶を鮮やかに ~観光パンフレットのための和配色~

配色例:桜色×若草色×空色

 

春の息吹を感じさせる桜色と若草色、澄んだ空を思わせる空色を組み合わせることで、爽やかで親しみやすい印象を与える配色です。地域の魅力や季節感を視覚的に伝える観光パンフレットに最適で、手に取った人に温かく明るい印象を残します。

◎上品な彩りで魅せる ~和菓子・工芸品パンフレットの和配色

配色例:藍色×利休茶×白練

 

深みのある藍色に、茶の湯文化に通じる利休茶、清楚な白練(しろねり)を合わせることで、控えめながらも品格を感じさせる配色に仕上がります。伝統工芸や和菓子、文化的な商品を紹介するパンフレットに適しており、落ち着いた高級感を演出します。

◎知的で洗練された印象を ~ビジネスシーンの和モダン配色~

配色例:浅葱色×灰桜×墨色

 

清涼感のある浅葱色に、やわらかなグレーがかった灰桜、シャープでモダンな墨色を組み合わせることで、知的で現代的な印象を与える配色になります。和の要素を残しながら、都会的でスタイリッシュな表現ができるため、ビジネス系の資料や高感度なブランドパンフレットにおすすめです。

5. まとめ|和の色で記憶に残るパンフレットを

日本の伝統色には、見る人の心を惹きつけ、深い余韻を残す力があります。単に美しいだけでなく、その背景には四季折々の自然や、長い歴史、文化、人々の感性が息づいており、色そのものがストーリーを語ります。パンフレットに和の色を取り入れることは、ただのデザイン表現にとどまらず、見る人との心の距離を縮め、強い印象を与える手段にもなります。

 

本記事で紹介したように、和の色は単色でも美しさを持ちますが、配色によってその魅力はさらに引き立ちます。目的や用途に応じた色の組み合わせを選び、フォントやレイアウトと調和させることで、視覚的な訴求力と日本らしい品格を兼ね備えたデザインが完成します。伝統とモダンを融合させた“和モダン”な表現は、国内外を問わず幅広いターゲットに訴求できる可能性を秘めています。和の色を上手に活用することで、見る人の記憶に残る、印象深いパンフレットになるでしょう。ぜひ今回ご紹介したアイデアを参考に、「和」の魅力が伝わるオリジナルのパンフレット制作にチャレンジしてみましょう。

 

福岡パンフレット制作.comでは、経験豊富なデザイナーがパンフレットの構成・デザインまでご提案いたします。「和」をテーマにしたもの以外にも、パンフレット制作でお悩みの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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