ドリルとブックスタンドと私。昔を懐かしんで【ニーズ】を紹介してみる
今回のお題は【ニーズ】です。
辞書的な意味ですと「人間の欲求または要求」となります。ここでの欲求とは、「お腹空いたからご飯食べたい」「眠いから寝よう」など、私たちが先天的に持っている、生きていくために必要な生理的欲求(一次的欲求)と、後天的・経験的につくられる派生的欲求(二次的欲求)とに大別されます。広告業界でいうところの欲求とは後者の方ですね。
突然ですが、皆さん、中高生のとき、技術の授業ってありましたか?私は中学生の時にありました。特に印象に残っているのが、木材を切って組み立ててブックスタンドを作ったことです。
慣れない工具を使っておっかなびっくり組み立てて、出来上がった時の喜びはひとしおでした。当時実家の机の片隅に置いて使用していたんですが、どこかにしまったのか、しばらくお目にかかれておりません…。
さて、DIY好きの方もそうでない方も、「木材加工するときに使うものってなーんだ?」って聞かれて何を思い浮かべますか?
のこぎり?トンカチ?釘?カンナ?
色々ありますね。
ここで是非思い浮かべてほしいのが、穴を開けるのに使うドリル。
実はこのドリルを使った有名なマーケティングの格言があることをご存知ですか?
「ドリルを売るな、穴を売れ」
初耳の方は「なんのこっちゃい」と思われるかもしれませんが、マーケティングにおいて重要なことを実に端的に述べている格言です。
簡単に言うと、「ドリルを買いに来たお客様は、ドリルそのものが欲しいのではなく、ドリルを買うことによって何か問題を解決したいと考えている。だから、ただドリルを売ろうとするのではなく、ドリルを使うことでお客様が得られる利益は何かを考えよ」ということです。
ドリルを使ってできることといえば、穴を開けることですよね。ではその穴を開ける場面ってどんな場面なんでしょう?簡単なブックスタンドを作るのか、ペットの小屋を作るのか、はたまた家づくりを生業とする職人さんなのか、それぞれの目的によって必要なドリルの性能も変わってきますよね。
この場合、ドリルそのものではなく、「ドリルを買って何かに穴を開ける」ことがお客様が求めていること、まさしく【ニーズ】なのです。
マーケティングでは、この【ニーズ】を探し当て、販促・広告活動を行っていくことが求められるわけですが、お客様自身も気づいていない【潜在的ニーズ】も存在するため、一筋縄というわけにはいかないんですね。
「ニーズのあるところに広告有り!広告のあるところに日広有り!」と言われるくらい、見ている人を引き付ける力のある広告を作っていきたいものです。