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執筆日:2025.07.10

変更日:2025.07.11

執筆者:itanami

【大阪・関西万博から学ぶ!】EXPO 2025のパンフレット&リーフレット事例集

1.はじめに

「大阪・関西万博2025(EXPO 2025)」の成功に注目が集まる中、各パビリオンや企業が制作する「配布物」のデザインが、集客力を大きく左右することをご存知でしょうか?

開幕当初は6~7万人台と控えめなスタートでしたが、5月後半から来場者が急増し、特に5月31日には過去最多の約18万人を記録。6月以降も連日10万人を超える高水準を維持しています。7月現在では平日も10万人超えが定着し、目標達成に向けて勢いを増しています。

私も5月31日に実際に会場を歩きました。その時強く感じたのはデジタル化が進んだ現代においても、手に取って目を通せる「紙」の配布物が、来場者の行動を左右するほどの影響力を持っているという事実です。
マップを片手に効率的に回遊する人々、特定のパンフレットを嬉しそうに持ち帰る来場者の姿──それらは、デザインの工夫が直接「行動」に結びついている証でした。

本記事では、現地の体験を踏まえて、特に気になった入手した万博配布物の考察と、デザインで人を動かすポイントを実践的に解説します。
イベント主催者、企業の広報担当者、デザイナーの方々にとって、次世代の配布物制作に欠かせない知識とアイデアが得られる内容になれば幸いです。

2.万博配布物デザインの重要性と効果

2-1.大規模イベントにおけるパンフレット・リーフレットの役割

万博のような大規模イベントでは、配布物は単なる情報提供のツールを超え、来場者の「第一印象」を決定づける重要な役割を担います。1日数十万人の来場者が訪れる中、限られた時間内に効率的かつ効果的に情報を伝え、来場者の行動を誘導する必要があるためです。
まず、視覚的に魅力的な配布物は来場者の関心を強く引きつけ、「このパビリオンを訪れてみたい」という気持ちを喚起します。さらに、物理的な配布物は触覚や視覚を通じて強い記憶を残し、イベント終了後も手元に残ることで長期的なブランド認知につながるのです。実際、多くの来場者が配布物を記念品として持ち帰り、それが口コミやSNSでの拡散を促進しています。
また、配布物は来場者の回遊ルートを最適化し、特定のエリアへの誘導や滞在時間の延長を促す「行動誘導の起点」としても機能します。広大な会場を効率よく回ってもらうために、配布物のデザインは来場者の行動パターンに合わせた科学的な設計が不可欠です。

2-2.集客に効くデザインとは?心理効果と拡散力

集客効果の高い配布物デザインは、心理学的要素が巧みに盛り込まれています。
まず「注目獲得」では、色彩心理学を活用した配色や動きを感じさせるレイアウト、一目で内容が把握できるビジュアル構成が重要です。
次に「関心喚起」には、テーマに即したストーリーテリングが効果的。万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に関連した物語性のあるデザインは、来場者の共感を呼び深い関心を引き出します。また、希少性や限定性を演出することで「今すぐ行動したい」という心理を刺激します。

色の選び方と心理効果に関してはこちらから詳しく解説しています↓

さらに「記憶定着」には、特殊紙や印刷技術による触感演出、香りや音の仕掛けなど五感に訴える工夫が鍵です。
そして現代の配布物では、「拡散設計」も欠かせません。SNS映えするビジュアル、ハッシュタグの提案、QRコードによるデジタル連携を盛り込み、物理とデジタルをつなぐ導線設計により拡散力を大幅に向上させています。

3.「大阪・関西万博2025」配布物デザイン事例分析

3-1.EXPO 2025公式マップ:行動を導く「設計された地図媒体」

EXPO 2025公式マップは、万博テーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を体現し、来場者体験を向上させる核となります。
まず「WORLD」要素(Inochi、Umi、Noyama、Hikari)によるビジュアル統一が印象的です。これらは生命の循環や生態系を表すコアグラフィックで、ロゴやキャラクター、マップ全体に反映され、統一感を醸成しています。
可読性の高いモリサワUDフォントを採用し、大屋根リングを中心とする会場構成を明確に示しつつ、情報に「間と余白」の美学を取り入れています。
色覚多様性対応では、高コントラストを避けた配色設計を実現。さらに2次元コードによるデジタル連携で、誰もが利用しやすいユニバーサルデザインを実現しています。
また、ミャクミャクなどのキャラクター活用により、地図としての視認性だけでなく、回遊の楽しさや記憶に残る体験価値も高めています。
総じて、このマップは「情報を伝える」だけでなく、「体験を設計する」新基準となるデザインといえるでしょう。

3-2.日本館三つ折りリーフレット:いのちの循環を伝える視覚戦略

日本館に入場してすぐに入手できる「日本館」の三つ折りリーフレットは、「いのちと、いのちの、あいだに」という「循環」のテーマを伝える重要な媒体です。A4三つ折り(巻三つ折)は、情報を段階的に展開し、パビリオンの体験順路を物語として表現するのに適しています。

ターゲットは国内外の多様な来場者で、自然、食、伝統、技術、ポップカルチャーに関心があります。リーフレットでは、パビリオンの館内図を中央に配置し、目玉である「火星の石」といった科学展示から、ハローキティやドラえもんなどのキャラクターまで、幅広いコンテンツをバランス良く配置し、ユニバーサルデザインに配慮します。
色彩は、日本の伝統色(例:若葉色、露草色、茜色、銀鼠など)やアースカラーを基調に「循環」を表現し、アクセントカラーで注目を引きます。フォントは可読性の高いゴシック体を用いて、和モダンな印象を与えます。キャラクターは単なる装飾ではなく、各エリアの「案内役」として戦略的に活用することで、親しみやすさと品格を両立させます。
最後に、公式ウェブサイトやSNSへのQRコードなど、明確な行動喚起(CTA)を配置し、来場者が次のステップへ進めるよう促します。これにより、リーフレットは単なる案内を超え、万博のメッセージを深く伝える「記憶の媒体」となるでしょう。

3-3.「饗宴!匠が演じる日本美の世界」冊子:「日本美」を体現する作品

「饗宴!匠が演じる日本美の世界」は2025年5月27日(火)~6月1日(日)期間中にギャラリーEAST内にて開催された、日本の伝統工芸の魅力を世界に発信することを目的としたイベントです。全国各地の「匠」による作品展示や、ギャラリーに隣接する「ポップアップステージ南」にて開催された匠による実演・パフォーマンスが主な内容でした。

 

この冊子は、匠の伝統技術と現代の感性を融合させた「新たな日本の美」を国内外に発信する「日本の伝統工芸と職人技術を現代的なデザイン感覚」で表現しています。全8ページの構成の中には、万博のテーマ「いのちと、いのちの、あいだに」が示す「循環」の美学と、匠の技が持つ持続可能性を繋ぐ役割も担っており、期間中展示されていた作品の紹介から「ポップアップステージ南」で開催されたイベントの紹介、様々なプロジェクトの紹介が視覚的階層と余白を重視したシンプルで分かりやすいレイアウトにて掲載されています。
表紙をはじめ、パンフレットには明るく落ち着いた色彩と日本伝統の文様、そして作品の写真を配置することで、落ち着きの中にも華やかさと品格を表現しています。フォントは、明朝体を用いることで、伝統と現代の融合を視覚的に示します。
パンフレットの中には、公式ウェブサイトやSNSへのQRコードなど、明確な行動喚起(CTA)を配置し、デジタル連携で来場者の体験価値を高めます。シンプルながらも華やかな構成は冊子やパンフレット自体を「日本美」を体現する作品へと昇華させるでしょう。

また、和風パンフレットに関する内容はこちらにまとめたものもございます。ぜひ参考にしてみてください。↓

4.配布物のポイントと注意点

4-1.ターゲットの明確化とニーズ分析

配布物制作の第一歩はターゲット層の明確化です。今回のテーマである「万博」には多様な来場者が訪れるため、子ども連れ家族、若年層、シニア、ビジネス関係者など、それぞれのニーズに応じた情報設計が不可欠となっています。
情報量や表現方法、フォントサイズ、イラストの有無をターゲットに合わせて調整し、多言語対応も視野に入れた使いやすい配布物がカギとなります。

4-2.デジタル連携とインタラクティブ要素の活用

近年は紙とデジタルの融合が主流。「万博」ではQRコードやAR技術を活用し、紙媒体から動画や音声ガイドへ誘導して情報伝達の幅を広げています。
SNS拡散を狙ったフォトスポット情報や参加型企画案内の組み込みも効果的で、来場者の能動的参加を促進します。

3-3.デザインの一貫性とブランドイメージの統一

万博全体や個別パビリオンのブランドイメージを損なわないため、配布物のデザインは統一感が必須になります。
公式デザインガイドラインを遵守しつつ、個性も表現。フォント、カラー、ロゴの使い方、写真のトーンまで細部に一貫性を持たせることで、来場者に信頼感と安心感を与え、ブランド価値を高めています。

また、制作時にパンフレットにするべきか、リーフレットにするべきかお悩みの方はこちらの内容も参考にしてみてください。↓

5.まとめ

万博の配布物は単なる情報ツールに留まらず、来場者の体験価値を大きく左右します。成功するデザインは心理学や行動科学に裏打ちされ、ターゲットの心に響くビジュアルとストーリーを届けることが不可欠です。
「大阪・関西万博2025(EXPO 2025)」では、公式マップの回遊促進設計、日本館リーフレットの物語性、伝統と未来技術を融合したパンフレットなど、実践的かつ革新的な配布物が数多く生まれています。これらの成功事例は今後の大規模イベントやプロモーションにとっても大いに参考になるでしょう。

 

 

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